「憧れの一人暮らしを始めたのに、思ったよりストレスが溜まる」という人も多いのではないでしょうか。
ストレスが大きすぎると、せっかくの一人暮らしを満喫できません。
今回は一人暮らし経験のある500人にアンケートを実施。
「一人暮らしで感じるストレス」と「ストレス解消法」について聞きました。
【調査概要】
- 調査対象:一人暮らしをしたことがある方
- 調査期間:2024年2月29日~3月1日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:500人(女性342人/男性158人)
- 回答者の年代:10代 1.0%/20代 18.0%/30代 35.2%/40代 25.6%/50代 14.8%/60代以上 5.4%
自分の希望で一人暮らしをした人が85.2%
一人暮らし経験がある人のうち「自分の希望で一人暮らしをした人」は85.2%。
「本意ではなく、やむを得ず一人暮らしをした」という人は15%以下にとどまりました。
一人暮らしを希望する理由としては「実家にいるとプライベートな空間や時間がない」「自立したい」などが考えられます。
実家を出たい気持ちが強く、一人暮らしするために遠くの大学や就職先を選ぶ人もいます。
一人暮らしで感じるストレス1位は「家事が面倒」
「一人暮らしで感じるストレス」を聞いたところ、最も多かった回答は「家事が面倒(216人)」で、全体の4割以上を占めました。
2位「お金がかかる(116人)」、3位「身近に頼れる人がいなくて不安(102人)」も100票以上を集めています。
「一人暮らしだと家事や緊急時の対応を自分でやるしかない」という点にストレスや不安を感じている人が多いようです。
自炊の大変さや、しっかりしなくてはいけないというプレッシャーから、体調を崩してしまうこともあるでしょう。
1位 家事が面倒
- 学校やバイトから帰ってきて疲れているのに、家事をしなくてはいけないこと(10代 男性)
- 今まで実家でぬくぬくと育ってきたので、一人で「料理」「洗濯」「掃除」などすべてこなすことは非常にストレスだと感じます(20代 女性)
- 自由を得られる反面、慣れない炊事や洗濯をするのは億劫で仕方がありませんでした(30代 男性)
1位は「家事が面倒」でした。
実家にいれば、家事は親にやってもらえたり、家族で分担できたりします。
しかし一人暮らしだと、自分で掃除や洗濯をすべてこなさなければなりません。
とくに学校やバイトで忙しい人や、夜遅くまで仕事している人、休みがあまりない人などは、家事がしんどいと感じやすいでしょう。
また一人暮らしを開始してすぐは、コツや効率的なやり方がわからなくて、ストレスを感じやすいと考えられます。
2位 お金がかかる
- 最もストレスだったのは金銭面。家賃や水道光熱費はもちろんのこと、実家では気にしたことのない日用品費もとてもストレスでした(20代 男性)
- 金銭面がストレスでした。あまりお給料も高くなく、「奨学金の返済」「病気で思うように働けない親への仕送り」などもあり、自由に使えるお金は微々たるものだったので(30代 女性)
- 家賃や光熱費がかかるので、自由になるお金が少ない(40代 女性)
2位は「お金がかかる」です。
一人暮らしすると家賃のほか、水道光熱費、食費、日用品費などもかかります。
収入の多くが生活費に消えるため、自由に使えるお金が少なくてストレスを感じていた人が多数。
「いつもお金のことが心配だった」という人もいました。
とくに実家暮らしの知り合いと比べると、遊べるお金や使えるお金が少ないと感じやすいでしょう。
3位 身近に頼れる人がいなくて不安
- 体調を崩したときに頼る人がいないこと(20代 女性)
- 病気や災害時に不安を感じる(30代 女性)
- 体調不良になったときに、家に自分以外誰もいないことが辛いと感じました。健康なときは家事や金銭面も大丈夫ですが、体調が悪くなると一気に不安になりがちです(30代 男性)
3位は「身近に頼れる人がいなくて不安」でした。
身近に頼る人がいなくても、健康なときや問題なく日常生活を送れているときはあまり不安を感じないでしょう。
しかし、病気になったり災害が起こったりすると不安が襲ってくる人も多くなっています。
不安なとき、一人で耐えなければいけないのは辛いですよね。
4位 家に人がいないと寂しい
- 休日に誰とも話さないと、精神的に落ち込んでしまう(10代 男性)
- 自宅に帰っても電気がついておらず、シーンとしている。帰るたびに寂しさを感じていた(20代 女性)
- 孤独なこと。喋る相手や空間を共有する相手がいないので、無性に寂しくなるときがあります(30代 男性)
4位は「家に人がいないと寂しい」でした。
一人暮らしだと自宅内には話し相手がいません。
仕事や学校の悩み・愚痴を聞いてほしいとき、話し相手がいないのは辛いですね。
休日は一日中誰とも話さず終わる人もいます。
また疲れて帰ってきたときに、部屋が寒かったり暗かったり静かだったりすると、急に寂しさを感じることもあるでしょう。
5位 近隣トラブルが起きたとき不安
- 壁が薄く、隣人の生活音が気になる(10代 女性)
- アパートだと、隣人の騒音があって寝れなかった(20代 男性)
- 隣の部屋からの騒音など。騒音問題に関しては女性一人ではなかなか対応しにくく大変だった(30代 女性)
「近隣トラブルが起きたとき不安」が5位でした。
とくに騒音についてのストレスが多く寄せられています。
「戸建て住宅」や「壁の厚いファミリー向け分譲マンション」などから、一人暮らし用のマンション・アパートに引っ越すと、騒音に驚く人も多いようです。
一人暮らしだと家族に対処をお願いするわけにもいかず、ただ耐えるしかなかったという人もいます。
隣人の騒音にストレスを感じている人もいれば、「自分もうるさいのではないかと気をつかい、疲れてしまう」という人もいるでしょう。
6位 体調が悪くなりやすい
- 食事の栄養バランスなどがおろそかになってしまう(20代 男性)
- 食事を抜いたり冷凍食品に頼ったりして栄養バランスが崩れたせいか、体重が増えてしまった(30代 男性)
- 料理をするのが億劫で、栄養が偏って健康を保てない(40代 女性)
6位は「体調が悪くなりやすい」でした。
一人暮らしだと、料理するのが面倒と感じる人も多いです。
インスタント食品を多用したり食事を抜いたりすると、栄養バランスが崩れて体調を崩しやすくなります。
また一人暮らしでは「お目付け役」となる家族がいないため、好きな物を好きなだけ食べられます。
一人暮らしがきっかけで体重が増えた人もいました。
7位 防犯面で不安がある
- 防犯設備が整っている物件ではなかったため、「もし押し入られたらどうしよう」という不安は漠然とありました(20代 女性)
- 防犯面。都内で女性一人暮らしだったので怖かった(30代 女性)
- 玄関上の灯り取り窓から誰かが覗いているような気がして、怖かったです。「女性は2階が安心」と言われて2階にしましたが、玄関から脱衣所が丸見えな間取りだったことは盲点でした(40代 女性)
7位は「防犯面で不安がある」です。
回答したのは全員女性で、女性の一人暮らしでは防犯面を気にしている人が多いとわかります。
「ピッキングされた」「洗濯物を盗まれた」といった体験談も寄せられました。
家にいるときだけではなく、一人暮らしの家に帰るまでの道で誰かにつけられていないか不安になることもあるでしょう。
対策としては「オートロックやスマートロックなど防犯設備が整っている物件を選ぶ」「周囲に街灯がある明るいエリアに住む」といった方法があります。
一人暮らしのストレスの解消法は「趣味を楽しむ」
「一人暮らしのストレスを解消する方法」の1位は「趣味を楽しむ(103人)」。
2位「周囲とコミュニケーションをとる(90人)」、3位「外食・中食する(55人)」が続きます。
「感じてしまったストレスを緩和する方法」と「ストレスを発生させないようにする予防法」がランクイン。
どうしても発生してしまうストレスなら、対症療法的に趣味などでストレスを発散させるしかありませんね。
なお周りを気にせず趣味に没頭したり、気ままにやりたいことができたりするのは、一人暮らしならではのメリットでもあります。
一人暮らしのメリットを生かして、一人暮らしのストレスを解消している人も多いと言えそうです。
1位 趣味を楽しむ
- 一人暮らしだと趣味に没頭できるので、趣味でストレスを解消した。具体的には、イラストを描いたり動画を見たりなど(20代 女性)
- 室内では「アニメを見る」「漫画を読む」「ゲームで遊ぶ」などをして過ごしていました。外出時は、映画館にアニメ関連の映画を見に行きました(30代 女性)
- 一人でもできる趣味を見つけ、休日などは趣味にのめりこめるようにした(40代 男性)
1位は「趣味を楽しむ」でした。
一人暮らしだと、家族に邪魔されることなく、どっぷり趣味に浸れます。
そのためストレスや不安を感じたときは、趣味を楽しんでストレスを解消している人も多くなりました。
無料の動画やテレビを見るといった趣味なら、あまりコストをかけずに楽しめます。
2位 周囲とコミュニケーションをとる
- 寂しさを紛らわすため、ゲーム友達をつくり、ボイスチャットをつなぎながら遊んでいます。たまに友達が泊まりや遊びに誘ってくれることもあります(20代 男性)
- 両親や姉に毎日電話をすること(30代 女性)
- なるべく人付き合いをするようにしています。人と会うと楽しくてストレス解消になります。一人暮らしは孤独になりすぎることもあるので、オンラインなども利用してさまざまな交流を楽しんでいます(40代 女性)
2位は「周囲とコミュニケーションをとる」です。
「友達と遊ぶ」「家族や友達と電話する」といった方法で、寂しさが軽減されます。
またこまめに家族や友人と連絡をとっておくことで、緊急時に頼りやすくなるのではないでしょうか。
友達づくり用のアプリやSNSもあります。
3位 外食・中食する
- 食べたいもので調理が面倒なものは、購入する(20代 女性)
- たまにはデリバリーを頼む(30代 女性)
- 「外食」というご褒美を自分に与える(40代 男性)
3位は「外食・中食する」でした。
外食や中食(市販の弁当・総菜やデリバリー)を活用することで、自炊の面倒くささから解放されます。
「家では調理が難しいけれど、食べたいもの」を食べることで、気分転換にもなるでしょう。
また友人や家族と外食することで、コミュニケーションの機会にもなります。
なお家事の面倒くささを解消する方法としては、「便利家電・グッズを活用」「皿洗いが嫌いなので使い捨て容器を使う」なども挙げられました。
4位 外出する
- 家にいると考え込んだり、騒音が気になったりするので、気分転換にとにかく外出。リフレッシュを目的に散歩をしたり、近くのコンビニまで行ったりする(20代 女性)
- 家にいる時間を少なくし、できるだけ外出すること(30代 女性)
- ちょっとの時間でも、部屋から外に出る(40代 男性)
4位は「外出する」でした。
外出すると気分転換になり、寂しさが紛れます。
リズムよく歩くことで、ストレス解消効果もあると言われています。
また外出することで「隣人の騒音から逃れられる」「エアコン代を節約できる」といった効果もありますね。
5位 好きな物を食べる・飲む
- お給料日は美味しいものを食べること(20代 女性)
- 好きなものを食べる(30代 男性)
- たまにコンビニで好きなだけお菓子を爆買いすること(40代 女性)
「好きな物を食べる・飲む」が5位でした。
飲食を「頑張っている自分へのご褒美」にすることで、ストレスを解消したりやる気アップにつなげたりしている人もいます。
ただし食べることだけがストレス解消法になってしまうと、「暴飲暴食から抜け出せない」など、食べ過ぎにつながることもあるので注意しましょう。
6位 運動する
- 散歩をして体を動かす(40代 女性)
- 筋トレやウォーキングなどで体を動かすようにしています(40代 男性)
6位は「運動する」でした。
運動にはストレス発散効果があります。
「運動して体を疲れさせることで、よく寝られる」という体験談もありました。
また、運動して健康に気をつかうことで、体調不良によって引き起こされるストレスや不安を防ぐ効果も期待できます。
7位 気ままにしたいことをする
- 2日ある休日のうち、1日は思いっきりダラダラ過ごす(20代 女性)
- 「一人暮らしでしかできないこと」をする。多少だらけた生活になったとしても、一人暮らしの生活を満喫することで、ストレスを解消しています(30代 男性)
- ストレス以上に一人暮らしを満喫する(40代 女性)
7位は「気ままにしたいことをする」です。
一人暮らしならではの気ままな生活を楽しむことで、ストレスを解消している人もいます。
「多少だらけた生活になってもいい」というコメントがあったように、「家事は完璧にしなくてもいい」「しんどいときもあるよね」という少しの諦めも、ストレスを和らげるためには大切なのかもしれません。
まとめ
一人暮らしは自由で気ままですが、「家事が面倒」「金銭面で大変」「寂しい」といったデメリットもあります。
ストレスを溜め続けていると心身に影響する可能性があるので、自分に合った方法でストレス対策や息抜きをしたいですね。
また「防犯面で不安なら、防犯設備がある部屋を選ぶ」「病気になったときが不安なら、近所にクリニックがある物件を探す」のもいいでしょう。
立地や設備によって予防できるストレスもあるので、部屋選びの時点で考慮してみてください。