物価高による節約意識の高まりなどで、リユースへの関心も高まっています。
しかし中古家具・リサイクル家具を買うことについては、不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
今回は全国の男女499人に、中古家具・リサイクル家具に関するアンケートを実施。
「リサイクル家具や中古家具を購入した経験の有無」や「中古家具を購入するときに重視するポイント」について聞きました。
【調査概要】
- 調査対象:全国の男女
- 調査期間:2024年8月31日~9月6日
- 調査機関:自社調査
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 有効回答数:499人(女性307人/男性192人)
- 回答者の年代:10代 0.8%/20代 19.6%/30代 37.7%/40代 25.9%/50代 13.0%/60代以上 3.0%
リサイクル家具や中古家具を購入したことがある人は72.5%
全国の男女499人に「リサイクル家具や中古家具を購入したことがありますか」と聞いたところ、「ある」が72.5%で多数派となりました。
リサイクルショップも多いですし、掲示板アプリやフリマアプリなどで簡単に中古家具を購入することもできるため、中古家具に興味をもつ人も多いのだと考えられます。
では「リサイクル家具や中古家具を購入した理由」「購入しない理由」について、具体的な回答をもとに紹介します。
リサイクル家具や中古家具を購入した理由
- 良いものを安く手に入れたいと考えたから(20代 女性)
- 人と被らない、レトロな家具が欲しかったので(30代 女性)
- 中古家具屋に状態の良いテーブルがあり、気に入ったので購入した(30代 男性)
- リサイクル家具や中古家具は、環境に優しく、価格も抑えられる点が魅力です(40代 男性)
- テーブルと椅子を買いました。新品が10万近くするのに、中古だと2万円で買えたからです(40代 男性)
中古家具・リサイクル家具を購入した経験のある人からは、価格面でのメリットが多く寄せられています。
ほとんど使われていないような状態の良い中古品が、新品の半額以下で売られている例もあります。
「どうせ子どもが汚すので、安い家具でいい」という意見もあり、中古を安く買えば汚れてしまったときの精神的ダメージが少ないと考えている人もいました。
「一人暮らしを始めるときに費用を抑えたかった」「若いときにお金がなくて」という意見も寄せられています。
また、環境に優しいことに魅力を挙げた人も多くなりました。
「古い家具だと、デザインが人と被らない」「もともとヴィンテージやアンティークの雰囲気が好き」という意見もあり、好みとして積極的に中古家具を選んでいる人もいるとわかります。
リサイクル家具や中古家具を購入しない理由
- 一度使用された家具は不潔であるという印象が強く、購入に至らない(10代 男性)
- 誰かが使っていた家具は使いたくない。いわくつきかもしれないと思ってしまう(20代 女性)
- ダニなどの虫がついていないか心配。また目に見えない部分の欠損がありそうで不安だから(30代 女性)
- 実際に店頭で中古家具をチェックしてみましたが、中古でも新品とあまり変わらない値段だったため(30代 男性)
- 長持ちしないと思うからです(40代 男性)
「中古家具・リサイクル家具には抵抗がある」という人が多くなっています。
抵抗がある理由は、「見えないところに傷や汚れがありそう」「誰がどうやって使ってきたものかわからないから」など。
またロープライスを売りにする家具店であれば新品でも安い家具が売られているため、価格面での優位性をあまり感じられない人も多いようです。
中古家具は色やデザインが豊富ではないので、「探してはみたけれど、気に入ったデザインがなくて諦めた」という人もいました。
リサイクル家具や中古家具を購入する際に重視するポイントは「状態の良さ」
リサイクル家具や中古家具を購入する際に重視するポイントの1位は「状態の良さ(286人)」、2位は「低価格・お買い得であること(244人)」でした。
3位「好みのデザイン(45人)」、4位「丈夫で長く使えそう(19人)」、5位「レア度・珍しさ(18人)」と続きます。
状態の良さやレア度は、中古家具・リサイクル家具ならではの重視ポイントと言えるでしょう。
価格や丈夫さについても、「新品に比べて安いのか」「中古でもすぐ壊れないか」など、中古ならではの視点で選んでいる人が多くなっています。
1位 状態の良さ
- できる限り新品に近い状態かどうか(20代 女性)
- 実際に見てキレイかどうか(40代 女性)
- ジャンクでなく稼働品であること(50代 男性)
1位は「状態の良さ」でした。
「傷や汚れが少ない」「もともとの機能が問題なく使える」といった点を重視している人が多数。
中古品には傷や汚れがあることも多いので、注意して見ている人が多いとわかります。
新古品や展示品など、状態がキレイだと思われる商品を選ぶようにしている人もいました。
2位 低価格・お買い得であること
- 新品と値段を比較したときに、どれだけ安くなっているか(30代 男性)
- 妥当な価格がどうか(40代 女性)
- 新品よりも価格が安く設定されていること(50代 男性)
2位は「低価格・お買い得であること」でした。
新品と比べて安いのかを重視している人が多数。
また中古品は商品の状態も気になることから、「値段と状態のバランス」、いわゆるコスパを挙げた人もいました。
例えば「値段の割に状態がいい」「高級家具ブランドが安く手に入る」など、納得できる価格であるかが重要と考える人も多いとわかります。
3位 好みのデザイン
- デザインなどに一目惚れできたら(20代 女性)
- 好きなデザインかどうか(40代 男性)
- 中古で安くても、気に入らなかったら買わない。自宅のインテリアに合うかが一番のポイント(50代 女性)
3位は「好みのデザイン」です。
中古家具であっても、新品家具を選ぶときと同じように自分の部屋や他の家具とマッチするかは重要です。
また中古家具に、新品の家具にはないようなレトロなデザインや味を求めている人もいます。
「中古家具ならではの、使い込んだ風合いに惹かれる」という人も複数いました。
4位 丈夫で長く使えそう
- 今後も長い期間使用できるものか(20代 男性)
- 長く使えるものであるかどうか(30代 女性)
- できるだけ長く使える商品を選ぶようにしています(40代 男性)
「丈夫で長く使えそう」が4位でした。
せっかく気に入って買った家具が、すぐに壊れてしまっては残念です。
中古家具ですと実際に使用されてきた期間があるので、新品よりも丈夫さを慎重に見極めようとする人も多いと考えられます。
5位 レア度・珍しさ
- 安さというより、価値を考えてレアなものを探す傾向がある(20代 女性)
- 唯一無二感(30代 男性)
- 現在はもう作られておらず、中古として買う価値があるかどうか(40代 女性)
5位は「レア度・珍しさ」です。
中古家具ならではの珍しさや希少価値を重視して選んでいる人もいました。
珍しい家具としては、例えば「古いアンティーク家具」「名作ヴィンテージ家具」「入手しにくい木材で作られた家具」「廃盤になった家具」などが挙げられます。
レアなヴィンテージ家具の価格は中古でも高額です。
ただし購入後に売る際、自分が買った値段よりさらに高く売れることもあります。
リサイクル家具や中古家具を購入するに際して不安なことは「壊れやすさ」
「リサイクル家具や中古家具を購入する際に不安なこと」としてもっとも多かった回答は「すぐ壊れそう(256人)」でした。
大きな傷があったり、劣悪な環境で保管されてきたりした家具なら、すぐ壊れてしまうのではと不安になります。
また「壊れたときに保証があるのか」という心配もありますね。
全体として、中古家具の状態を心配して人が多いとわかりました。
1位 すぐ壊れそう
- やはり新品よりも壊れて使えなくなる確率は高いので、少し不安です(20代 女性)
- もともとのつくりが良いものも多いとはいえ、古いには違いがないので、強度面では若干の不安はもちろんあります(30代 女性)
- 外側は立派に見えても、使い始めたら壊れてしまうのではないか(50代 男性)
1位は「すぐ壊れそう」でした。
すでに使用されてきたり長期保管されてきたりした家具なので、すぐ壊れることを心配している人が多数。
購入時点ですでに壊れていたら困ることから、店舗で実物を隅々まで見てから購入するようにしている人もいました。
一方で、チェックしきれない内側などの見えない部分に不安があるという意見も。
また「ソファーなら耐久性重視」「赤ちゃんが使う家具は、壊れたら危ない」というコメントもあり、家具によって耐久性の重要度が変わることもわかりました。
2位 汚れ・傷がないか
- ひどい汚れがないか(20代 男性)
- 傷がどの程度か(30代 女性)
- 犬や猫を飼っていた家で使われていた場合は、毛や引っかき傷などが気になる(50代 女性)
2位は「汚れ・傷がないか」でした。
中古品を買う場合、傷や汚れをまったく許容しない人は少ないと考えられます。
ただ「汚れがひどすぎないか」など、傷や汚れが「許容できるレベルなのか」を不安に感じる人が多いようです。
通販やフリマアプリなど実物を事前に確認できない場合は、「記載されている傷・汚れの程度が嘘ではないか」といった不安を抱く人もいました。
3位 衛生的な問題
- 消毒・クリーニングされているかどうか(30代 女性)
- 衛生面。棚など、拭き掃除できる家具なら問題ないですが、ソファーや椅子は見た目がキレイでもちょっと不安に感じます(40代 男性)
- とにかく衛生面。ダニなどがついている可能性もあり怖い(50代 男性)
3位は「衛生的な問題」です。
例えば「木材にキクイムシがいるのではないか」「ソファーや椅子の布部分にダニがいるのではないか」といった不安が寄せられました。
実物を見ても、木の中や布部分の中までは確認できないので、不安に感じるのも納得です。
「店舗や出品者によるクリーニングや消毒がされているのか」というコメントもあり、消毒・クリーニング済だと証明されれば不安は小さくなると考えられます。
4位 過去の使用状況・使用頻度
- 大事にされていた家具だと嬉しいですが、前所有者のことはわからない。「家具がどのような使われ方をしていたのかな」と思うことはあります(20代 女性)
- 前にどんな人が使用していたかわからないところ(30代 女性)
- 誰が使っていたのかわからない不気味さ(60代以上 男性)
「過去の使用状況・使用頻度」が4位でした。
店頭やネットの写真では、大切に使われてきた家具なのか、乱暴に扱われてきた家具なのかがわからず、不安に感じてしまう人も。
前所有者の使い方によって、見えないところに傷みや汚れができている可能性もあるため、気にしている人が多くなりました。
「誰が使ったかわからないベットには寝たくない」という意見もあり、身体を預ける家具のほうが不安になりやすいことも伺えます。
5位 保証の有無
- 思わぬ故障や不具合に対して、新品のような保証がないこと。中古といえど価格は大きいため、不安は大きい(20代 女性)
- 返品が可能かどうか(40代 男性)
- 購入してから、不具合があったときの保証やフォローはしてくれるのかどうか(50代 女性)
5位は「保証の有無」です。
保証つきで中古家具を販売しているお店もありますが、保証なしの中古家具も多くなっています。
フリマアプリなどでも「返品はできません」といった一文をつけて販売している出品者が多いです。
「新品に比べて壊れやすいだろうな」「汚れがあるのだろうな」という不安がある家具に対して保証がつかないので、不安を覚える人が多いのも納得です。
6位 臭いがしないか
- 取れない臭いがついていないか(30代 女性)
- 臭いがついてないか心配(40代 女性)
- 臭いです。購入時にはわからなくても、家に置いてみたら妙な臭いがすると感じたことがあったので、臭いはチェックするようにしています(50代 男性)
6位は「臭いがしないか」です。
中古家具は使用されていた場所・保管されていた環境によって、カビやペット、香水などの臭いがすることもあります。
布部分だけではなく、木の部分にも臭いはつきます。
ただ店舗で実物を見ているときには、お店全体の臭いで紛れてしまい、気づかないことも。
実際に中古家具を買って家に置いてから臭いが気になるようになり、以降注意している人もいました。
7位 いわくつきではないか
- 前使用者の念みたいなものがついていないか(30代 女性)
- 同居人が非常に敏感なため、以前使っていた人の良くない感情が憑いていると難しいです(40代 女性)
- いわくつきでないか心配です(50代 男性)
7位は「いわくつきではないか」でした。
「前所有者の怨念や悪い感情がついていたら怖い」「遺品や事故物件から来た家具は嫌」といった回答が寄せられました。
来歴がわからない家具について、スピリチュアルな部分を気にする人も多いとわかります。
あまり人が使っていない展示品などであれば、不安は少なくなると考えられます。
まとめ
中古家具には、新品より価格が安く、希少性の高い家具との出会いを楽しめるというメリットがあります。
環境に配慮した買い物ができるというメリットもあり、中古家具を実際に購入した経験のある人も多くなりました。
耐久性の面で不安を抱えている人も多くなりましたが、「中古で買って、10年以上使えている」という体験談も寄せられています。
ただデザインや安さだけで選んでしまうと、耐久性や衛生面で失敗する可能性もあります。
中古家具・リサイクル家具を選ぶ際には、「状態と価格のバランス」や「保証の有無」を考慮することが大切です。
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