元不動産営業マンの私坂本が、「訳あり物件」を高く売るためのポイントを解説致します。
結論を先に書いてしまうと、訳あり物件は専門業者複数社に買取査定を依頼して、その中で条件を提示して、最高値となるように交渉をしていくのがポイントです。
なぜ専門業者への買取依頼が一番良いのかということを順に解説していきます。
訳あり物件と通常の物件の違い
簡単にですが、訳あり物件とはどういうものを指すのか?から説明します。
訳あり物件とは
訳あり物件とは、主に下記のような不動産を指します。
- 再建築ができない物件
- 権利関係者や賃借人と揉めている物件
- 心理的瑕疵のある物件(事故物件)
- 物件そのものに瑕疵のある物件
- 地方の空き家などの築古物件
再建築ができない物件
日本の法律では、道路に面していない土地や、面している幅が規定に達していない土地は建物を建築することができません。
しかし、これは現在の決まりで、この法律が制定される前に建てられた物件や、建築許可を取らないまま建ててしまった物件もあります。
今は建物が建っているけど、再建築はできない物件のことを不動産業界では「再建築不可物件」など呼びます。再建築不可物件は、一般的なお客さんには売りにくい「訳あり物件」となります。
権利関係者や賃借人と揉めている物件
大きな意味でくくってしまうと、「揉めている物件」は一般の方には売りにくくなります。
よくあるケースでは、離婚や相続を機に共有持分となってしまった物件で、持分を売却するのかしないのかなどの意見の違いが原因です。
または、底地人や借地人との交渉で揉めている、賃貸に出している賃借人と揉めている、隣人と揉めているなどケースは様々ですが、係争中の物件は「訳あり物件」と呼ばれ普通に売り出すことは困難となります。
心理的瑕疵のある物件(事故物件)
事件や事故で人が亡くなっている物件や、火事があった物件なども価格がつきにくくなります。
他にも、宗教施設や暴力団の事務所が隣接していたりするなど、購入の判断をするのに重要となる事項は「告知事項」と言って告知をする義務が生じてしまい、一般の方には売りにくくなります。
物件そのものに瑕疵のある物件
物件そのものに大きな瑕疵がある場合も金額はつきにくくなってしまいます。
雨漏り、傾き、地盤沈下、シロアリ被害、柱や梁などの腐食、給排水の故障など、生活に支障が出るようなものはすべて物件の瑕疵にあたります。
そのような物件も、「訳あり物件」と呼ばれます。
地方の空き家などの築古物件
最後は、地方の空き家など、築年数が古くなっていて地元の不動産業者からもお断りされてしまうような物件です。
相続した物件の例が多いですが、両親が住んでいた物件を整理して売りに出そうにも買い取りてがいない、仲介もしてもらえないという状態の物件です。
上記の5つが、私が考える「訳あり物件」ですが、こういった物件でも売れない不動産はありません。このような物件ばかりを取り扱いしている業者も少なからずいるので、そこを当たっていくことになります。
売り方の違い
ここまででご紹介した「訳あり物件」は、他の物件と同じように一般の方に売ることはできません。
もちろん、諸々の問題を考慮した上で購入してくれる人が現れる可能性はありますが、かなり時間がかかってしまいますし、いくら待っても現れないこともあります。
ではこういった問題物件を売却するにはどうしたら良いのか?答えは、「業者に買い取ってもらう」。これだけです。
しかし、不動産業者であればどこでも買取ができるわけではなく、訳あり物件を専門としている業者に相談をしないといけません。そして、どうすれば高く買ってもらえるのかについてをこれから書いていきます。
訳あり物件を高く売るコツ
何よりも交渉がポイント
訳あり物件の専門業者に対して不動産をより高く売却するためには、何よりも「交渉」が重要となります。相手も商売で買取をしているわけですから、1円でも安く買取をして、より高く販売をすることが仕事です。
いかに交渉を優位に進めるのかがポイントとなってくるわけですが、なんと言っても相手はプロです。なんの知識も持たずに「もっと高く買ってくれ」というわけでは金額は引き出せません。
価格以外の条件をつける
交渉材料の1つとして、価格以外の部分で交渉するというのがあります。
例えば、あなたは地方の築年数が経過している空き家を査定に出したとします。地元の業者では引き取りでもいらないと言われている物件です。状態は下記の通り。
- 雨漏り
- 残置物あり
- 未接道再建築不可
訳あり物件専門の買取業者に査定をすると、「現状のままで100万円」という回答でした。しかし、残置物があって雨漏りをしている状態で100万円の条件提示を受けたということは、仮に残置物がすべて撤去されていて雨漏りが修理されていればもっと金額はつけられるということです。
業者の立場からすると、原状で100万円なのに雨漏りと残置物がなくなっていても100万円のままですとは言えません。
交渉条件はできるだけあと出しにする
ここでポイントとなるのが、金額にしてもその他の条件にしても、交渉条件はできる限り後出しにしていくということです。
交渉ごとで条件を先に提示して有利になるということはあまりありません。まずは不動産業者からの金額提示を受けて、それをもとに代替案を探して条件交渉を進めていくという流れが交渉の基本となります。
仮に「引き取り」であったとしても営業マンが条件提示をしたということはその物件が欲しいということです。
選択肢を複数持つ
最後は、選択肢を複数持つということです。
少なくとも、選択肢が複数あるという雰囲気を作り出す必要があります。業者Aが100万円の提示であれば、業者Bにも査定依頼をして、仮にそれが50万だったとしてもそこが最後の受け皿となってくれます。
ただ、査定は数多く出せば良いというわけでもないので、金額と査定担当の応対を見極めて「ここなら任せられるな」という会社2~3社に絞って交渉を進めるのがおすすめです。
まとめ
- 訳あり物件は専門業者に売る
- 交渉が超重要となる
- 2~3社に絞って後出しで条件交渉
これが訳あり物件を高く売るためのポイントまとめとなります。
専門業者の特徴や対応については私が30社以上買取査定をして内容をまとめていますので、是非ランキングを参考にしてみてください。
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